2016年5月15日日曜日


お恥ずかしながら、先日、某フラワーフェスティバルに園芸店として出店させていただきました。

そろばんはじきは苦手なほうでして、値段の設定に右往左往。

どれを販売させていただくかに右往左往。

行列ができたらどうしよう。と、接客のシミュレーションを。

お客様に質問されたときにキチンと答えられるように植物の色素からエマーソン効果、カルビンベンソン回路の仕組みまで勉強して当日をむかえたのでございます。


フラワーフェスティバルは大盛況で、お客様はひっきりなしにご来店されます。

が。

ご年配の女性が多く、皆さまラベンダーなどこの時期の花をお目当てに来られていたのでしょうか。

私がパキポディウム・ゲアイーと、ラメリーの違いを、ウェルウィッチア・ミラビリスの珍奇さを、クリトリアの名前の由来を口角につばを1リットルくらい溜めながら説明するも、皆さま苦笑いを残してお帰りになられるのです。

プセウドリトス・ミギウルティヌスをゴミを見るような目で見られたマダム。

セファロペンタンドラ・エキローサの幼苗を「なにこれ」とブチ抜こうとした少年。


「ここはボクの居場所じゃないんだ・・・」


さわやかな新緑の風が吹き抜ける会場を後にしようとしたときでした。

「あらあら、かわいいね~」

齢80にはなろうかと思しき老婆がプレイオスピロス・ネリーを指差しておられるではありませんか。

「そうですね。意外と普及はしてるけど花屋さんとかではあんまり置いてないかもしれませんね」と私。

少し会話を交わすと、90歳になる旦那様がおられて、彼はとても花を愛する人だった、と。

家のことよりも土いじりが好きだったが、現在は寝たきりで動けないので彼にお花を買いにきたのだ、と。

正直、その日はガソリン代さえも出ないだろうなというくらいしかお買い上げいただけませんでした。

新緑の風を少しだけ深く吸いました。

「おばあちゃん。それ、差し上げます。ご主人さんにプレゼントしてあげてくださいな」

「ぇえ~!ダメダメ!ご商売されてるんでしょう。ちゃんとお金をとらなきゃだめよ!」

戦後、高度経済成長を支えてこられただろう年代の方の温かい言葉でしたが「いやいや趣味が高じてやってるだけだからいいんですよ」と。

「あら~。ありがとう。ほんとうにありがとう。主人も見たことないと思うの。よろこぶと思うわ~。ほんとうにありがとうねぇ。ありがとうねぇ、、、」

差し上げる時に触れた彼女の手は、今までよく働いてきたんだろうな、と感じる温かさでした。

Aloe comosa
たぶんマイナーな種なんだと思います。
斑というのかどうか知りませんがピンク色の線が美しゅうございます。
高さ4cmくらいです。
200円。ダメでした。小さい。
Pseudolithos migiurtinus
可愛らしげな鉢に植え替えたのにほんとうに汚いものを見るような目で見られてたねあなた。
Pseudolithos cubiformis
今回の出店とは無関係ですが上のミギウルティヌスの仲間です。
キュビフォルミス。
生後1ヶ月弱。
今年播種の期待の星ですね。
Aloe dichotoma
これまた無関係ですがディコトマ。
尋常じゃないほど節間が密。
何株かありますが彼だけ密。異常に密。

画像を撮っておりませんので私と老婆をつないだプレイオスピロス・ネリーはこちらでどうぞ。



2016年5月8日日曜日

屋根に犬


神様仏様ゴノロブス・シクロフィルスもといマテレア・シクロフィラ様。

本当にお願いします。

起きてください起きてください。

そろそろ起きてください。

お願いしますお願いします。

以前も書きましたが冬至を過ぎると園芸カレンダーでは春のはずです。

もうすぐ梅雨です。

日照時間が1週間で数時間とかかもしれないんです。

ゴノロブス・シクロフィルスがゴノロブス属からマテレア属にけっこう前に変わってるとかアロエ・ディコトマがアロエ属からアロイデンドロン属に変わったとか私にとってはどちらでもいいことで、賢い人たちが決められたことを素直に受け入れますからひとまず目の前にいる皆様、起きてください。

Momordica rostrata
この株ともうひとつの株が意地でも目覚めない。
目覚めてくださいお願いしますお願いします。
Fouquieria diguetii
てめー!かっこいいのはトゲトゲと茎の柄だけかこのやろー!
とは言いませんので目覚めてくださいお願いしますお願いします。
Matelea cyclophylla
冒頭にも登場しましたマテレア様です。
知り合いに「こんな腐ったピーナッツ絶対死んどるやんけ」と診断されましたが「貴様に何が分かる」とは言わずに「ヘヘヘ」と笑ったんですから目覚めてくださいお願いしますお願いします。
Adenium obesum
こんな6cm四方のポットの中に納めるような仕打ちをしてしまってすみません。
目覚めたと感じた瞬間植え替えますので目覚めてくださいお願いしますお願いします。
Pachypodium geayi
彼は目覚められました。
ありがとうございます。ありがとうございます。



2016年5月2日月曜日

濃いめ 硬め 多め



懸命な読者諸氏の皆様はご存知かと思いますが、このビラビラ園芸センターブログ。フェイスブックにも登録しておるのです。

正確にいうと当センターは2人で運営しておりまして、もっと正確にいうと2人でただ遊んでおるわけでありまして、私はブログ、彼はフェイスブックを担当しておるのです。

以前何かのサイトに登録しようとしたところ画像認証みたいのが読めなくて断念した私としてはGoogle社に提供していただいているbloggerが居心地がいいわけで、フェイスブックに登録の際、画像認証があるのかどうかは知りませんがフェイスブックは彼に任せておるのです。

その彼。

おしゃれなのです。

事務所におじゃますると巨大なビカクシダに出迎えられ、まばゆいばかりのエンセファラルトスにはじまり、ブーファン、アデニウム、ネペンテス、流木からは所狭しとチランジアがぶら下がっておるのです。

私などはボロボロの軽四の箱バンに乗り、くたくたのTシャツにぼーぼーの無精ひげで100円の自販機があるところを意地でも覚える体質です。

なんかイライラしてきたので今回はブログ担当、私の必殺技、ネギです。

ドラマチックな古木感と哀れな私と硫化アリルに涙してください。どうぞ。
Allium fistulosum var."kujou"
アリウム・フィスツローサム バラエティ クジョウです。
どれだけ横文字を並べようがただの九条ネギですね。

下のほうの葉の枯れこみ具合などかっこいいです。
茎は?とか、葉の裏表は?とか考えるだけで楽しいです。

花も咲いております。
ネギ坊主までもう少し。
がんばれ!アリウム・フィスツローサム バラエティ クジョウ!

画像認証のおもろかしい、いわゆるおもしろおかしい画像がありましたので、私にふさわしいと思い、インターネット上から勝手に転載させていただきました。ダメならすぐに削除しますのでご一報を。