2018年9月25日火曜日

本体はアチラ

さあどうしましょう。

五万円七万円十万円夢のわかれ道。

私は今、岐路に立たされております

ひょんな事からiPhoneをいただくことになりました。

職場のパートのお姉さまが自宅に使っていないiPhoneがあるとのことでそれをいただきました。

5だかeだかsだか分かりませんがとにかく指紋認証で起動するという21世紀のアイテムをいただいたのです。

すなわち画像を撮ることができるということです。

儚くも力強く生きる植物達の画像を撮ることができるということです。

ここ数回、このブログは過去に私が綴った駄文によりがけっぷちの更新を続けておりました。

ブログの設定みたいなところでみられるアクセス解析によるとここ数ヶ月、1日平均5アクセスほどいただいております。

その5人の方々がどちらの文章をお読みになられたいのか。

それとも5アクセスはすべてスパムメールみたいなのを送るためのコンピュータからのアクセスなのか。

はたまたGoogle社からの精神安定剤としてのサービスなのか

岐路に立たされていると先述しましたが本当はどうすればいいのか分からないのです。

もう本当に分かりませんのでひとまず画像を撮れることの喜びとともに寝っころがってる植物の画像をお届けいたします。

最後になりましたがiPhoneをくれたパートの藤井さん。ありがとう。

旦那さんとケンカして旦那さんの車を思いっきり蹴って凹ましてめちゃくちゃ怒られた藤井さん。ありがとう。

咳払いがちょっとエッチな藤井さん。ありがとう。

Euforbia tuberculata
検索してタネを蒔こうと決めた時に見た画像もっと勇ましかったはず。
見事なまでのやる気のなさですね。



以前ご紹介させていただいたE.schoenlandiiですね。
斜めもさることながら顔色の悪さが。

プリカティリスですね。
意地でも寝るスタイルですね。

Pterodiscus ngamicus 
彼も画像検索なんかするともっと勇ましいの。
強めの雑草といった風格。

けど本当は先日までのもちょっと気持ち良くなってたりしたのでもうここは私の遊び場ということでこれからもよろしくお願いいたします。

2018年9月20日木曜日

裸足


キッス。


ひとことにキッスといえど多種多様である。

お花畑のごとくうららかで純朴なフレンチキッス。

照れながら目をかたく閉じて、ほんの一瞬だけ二人は唇を重ね合うことだろう。

彼等には 「おやおや?お二人は付き合い始めたばかりですか?赤くなった頬は、さながらスイートピーの様ですぞ。ほーほっほっほ」と言ってあげたくなる。

はたまた日本海の荒波のごとく激しいディープキッスもある。

二人は愛を確かめ合うように舌と舌とを情熱的に絡ませることだろう。

彼等には 「おやおや?不倫ですか?昼間のファミレスは危険がいっぱいですぞ。ほーほっほっほ」と教えてあげたくなる。

サハラ砂漠のごとくカサカサに渇ききったキッスもあるだろう。

もはや女性は眉間にしわをよせている。

彼等には「もう別れたほうがええで」と言ってあげよう。

そう。

このようにキッスはシチュエーションによって様々な顔を見せるわけである。

ただひとつ。

どの世界にも例外があるように、キッスの世界にも例外があるのだ。

間接キッスである。

キッスとは名ばかりで、私の見解では間接キッスは恋愛熟練度を計るバロメーターであり 且つ、最高のギャンブルなのである。

以下は男性の視点で描いているので、もし女性がお読みになっているならば男性と女性を反転させてお読みいただきたい。


同僚の女性が「はい」と言いながらペットボトルを差し出してきたとする。

「一口飲む?」というわけである。

あなたは以前からその女性のことが気になっている。

顔は好みで性格も申し分ない。

その女性が飲みかけのペットボトルを差し出してきたのだ!

さあ、あなたならどうする?

「ん」と愛想のない返事をひとつ返して目もあわせずに飲むだろうか?

本当はペットボトルに舌をねじ込みたいだろう。

しかしその衝動を抑えて「ん」と一言。

しぶい。あなたは恋愛上級者である。

あぶない刑事時代の木の実ナナのように人差し指と中指を「ピッ」としながら「サンキュ」と言ってカッコよく飲むだろうか?悪くない。

間違いではないのだろうが、たぶんそれは時代が許さない。

そんなあなたは恋愛中級者。

「ぐへへ」と言いながら本能のままにペットボトルをなめ回すように飲むだろうか? 

ちょっと気持ち悪がられるかもしれません。

残念ながらあなたは恋愛初級者です。

「いや、いらない。のど渇いてない」と言う方もいらっしゃるだろう。

そんなあなたはのどが渇いてないのです。判定不能。

「はい。一口飲む?」
「いや、いらないですよ」
「なんで~?なんで~?飲みなよ~」
「いや、大丈夫。気持ちだけいただきますよ」
「のど渇いてないの?飲みなって~」
「のどは渇いてるけどいりませんよ。ありがとう」
「のど渇いてるんでしょ~。ハチミツレモンだよ~。美味しいんだよ~。飲~み~な~よ~」
「じゃかましい!殺すぞ!仏の顔も三度までじゃ!」

と四度目にキレたあなた。

あなたは私です。そして恋愛不能者です。

そう。

私は四度目にキレ・・・ではなく、差し出されたペットボトルを飲まないのです。

なぜか?

理由は簡単。

間接間接キッスを恐れているのです。

間接間接キッス。

ペットボトルを差し出してきた同僚の女性と間接キッスをするということ。

それすなわち同僚女性が過去にキッスを交わしてきた男性と私が間接的に間接キッスをするということ。

以前、ニューハーフになるためにモロッコに行きたい。というお話をさせていただいたことがあるのだがあれは【モロッコ】という単語を使いたかっただけの嘘である。

ここに謝罪させていただく。

ニューハーフになりたい。というのが嘘だったことでお分かりいただけるように私はペットボトルを差し出してきた同僚女性の彼氏と間接間接キッスをしたくないのである。

大半の方は同性とキッスなどしたくもないのではないだろうか?

しかし。

少し考えていただきたい。

この状況だと同僚の女性の彼氏の元カノとも間接間接間接キッスできることになるのだ。
無料で。

もしかしたら同僚の女性の彼氏の元カノの元カレの元カノの元カレの元カノが超絶美人かもしれない。

間接間接間接間接間接間接間接キッスでようやくたどり着く超絶美人。

これこそが前述した最高のギャンブルのひとつではないだろうか?

なんなら、同僚の女性の彼氏の元カノの元カレの元カノの元カレの元カノが元ちとせの可能性さえあるのだ。

今度から、異性だろうが同性だろうがペットボトルを差し出されたら「どこかに超絶美人か元ちとせ・・どこかに超絶美人か元ちとせ‥」と唱えながらいただいてみてはいかがだろう?

ああ。とくに元ちとせのファンではありませんでしたか。失礼しました。

まあ、一コマ漫画で表現できそうなファーストキッスですませた私がキッスについてとやかく言うこと自体まずおこがましいのですが。


某年 吉日

  

2018年9月17日月曜日

下駄屋のせがれ


「はいお釣り。二十万両。」


9月になったというのに日差しがいっこうに衰えない、よく晴れた午後の出来事。

地元の、昔からそこにある駄菓子屋でのおばあちゃんの一言である。

なんとも郷愁のただよう言葉か。

私より先にお勘定を終わらせた少年への言葉だった。

少年二人組はとくにその言葉に反応を示さずに店を後にしてどこかへ向かって駆け出した。

無理もない。

【両】 という単位どころか【銭】さえも、あまつさえ電子マネーの出現で【円】さえも知らない子供がいるのではなかろうかと思える時代だ。

おばあちゃんが【両】といったところで胴体がちぎれるほど腹をよじれさせて笑う子供もいないだろう。

そんなことを思いながら私はモロッコヨーグルとうまい棒をおばあちゃんに差し出す。

モロッコヨーグル2つとうまい棒3本でしめて70円。

私の財布の中はお札が少々と100円玉と1円玉。

100円玉を渡そうと思ったのだがその時どう渡すか。

どう声をかけるか。

そこが問題である。

無言で渡すというのも考えた。

しかしサービス精神旺盛な私としては一言そえてあげたいのだ。

脳が瞬間湯沸かし器の如く活動する。

たぶんコンマ何秒の世界だろう。

私は数百万通りの選択肢から4つに絞り込んだ。

「はい。百万両」
「はい。百万円」
「はい。百円」
「はい。百バミューダドル」

どれだ。

どれがベストウェイだ。

【百万両】の場合はさっきの少年達に使っていたのでおばあちゃん的には嫌かもしれない。

両で渡されたお金のお釣りに両で返すほど老いぼれてはいない。と。

お釣りを渡す時に新しい単位を考えねばならないが何十年と 【両】 を使ってきた彼女に敬意を払わねばならない。

ここは私が折れるところだ。

ならば百万円か。

しかしオレオレ詐欺が横行する現代。

「釣りは999930円だろうがぁー!ぉぉっ!」とタンカをきられたらひとたまりもないがなー。と考えたおばあちゃんが警察に通報しないという確信はどこにもない。

そこにくると 「はい、百円」 というのもなにか味気ない。

バミューダドルにいたってはおばあちゃんが「またGHQに侵略されたんかーっ」  と思うかもしれない。


けど、もういいと思った。


私は一秒でも早くうまい棒を食べたかったのだ。

私がちょうどさっきの少年くらいのころ。

黒田君と二人で毎日のようにうまい棒の早食いをしていた。

少年とは自分達でルールを作っては手を広げすぎて対応しきれなくなり全てを投げ出す人。

黒田君と私もご多分にもれずそうだった。

【うまい棒の早食い】 という競技名がやがて 【早い棒のうま食い】 に変わり【早い棒のうま食い】 が 【すごい棒のやば食い】 に変わり【やばい棒のやば食い】に変わり・・・うまい棒を早く食べたほうが勝ち。という内容はなにひとつ変わってはいないのに。

やがて二人はどちらからともなくその遊びをやめた。

彼とはそれ以来あまり遊ばなくなったような気がする。

今手に持っているうまい棒もあの時と同じ味がするといいな。と思いながら 「はい百円。9月なのにまだ暑いね。おばあちゃん。体調には気をつけなよ」といいながら百円を手渡した。

「そうだねぇ。はいお釣り三十円」

まだまだ日差しは強いがツクツクボウシが秋の訪れを少しだけ感じさせるようにせわしなく鳴いていた。

暑い暑い9月の出来事だった。

うまい棒は確かにあの時と同じ味がした。


某年 吉日

2018年9月4日火曜日

もう一回


「パーティーは・・・これからよ・・・」

今際の言葉はコレに決めた。

私は最期をどのようにして迎えるのかを知らない。

いつめぐり逢うのかを私たちは誰も知らないように。

家族に看取られるのか、看護婦さんに「おじいちゃん!がんばって!!」と言われながら逝くのか、はたまた1秒後に隕石が落ちてきて死ぬのか本当に分からない。

ただ、最期に話すだろう相手に冒頭の言葉を言いたいと思った。


パーティーは・・・これからよ・・・」と。


願わくば介護ロボットみたいなヤツに「パーティーノヨテイハアリマセン」みたいなことを言われて「知っとる」と言ってガクッと逝きたい。


ゴッドブレス・ユー


某年 吉日